PS UFO 〜A DAY IN THE LIFE〜  アドベンチャー

 

とりあえず撮りまくれ

概すると、非常に独特な雰囲気を持った激写ゲームです。
目では見えないけど写真には写る宇宙人を、ここにいるであろうと予想つけてパシャパシャ撮りまくり、 写真に写ってたらクリア、という内容であり、ともすれば恐怖心霊ゲームになりがちなシステムです。
ただ、このゲームでの被写体は、なぜか宇宙人。いや宇宙人正解。だって幽霊撮りたくないし。写ってないほうがホッとするし。
あと、宇宙人と言っても、2人のスーツ姿のアメリカ人男性に両手を引かれた、 あんなグロい(宇宙人に失礼)容姿ではなく、 非常に漫画チックな、見ていてのほほ〜んとするデザインに仕上がっております。
ストーリーとしては、宇宙を航行していた宇宙船が地球に墜落しちゃって、 その乗客が、あるアパートに避難しているので、写真撮って見つけて救助せよ的内容です。
もちろんアパートなので、部屋数も多く(と言っても8部屋)、なかなか忍耐力を要求されます。

 
時をかける宇宙人(song by 原田知世)

ちょっと新鮮なところがですね、なんと時間をコントロールできるんですよ主人公は!
すげぇ! さすが宇宙人!(それで片付けてしまって良いのか)
だから、撮影に失敗しても、同じ時間帯をやり直せる!
しかも回数制限無し! 無ぇんだよ兄貴!
すなわちこれは、攻略ポイントさえ分かれば誰にでもクリアできる事を示しており、 ユーザに優しいゲームであると言えましょう。
ただ、主人公は時間移動および写真を撮る以外に能が無いので、 撮影タイミングが分かっても、そのタイミングが来るまでは、ひたすら待たなくてはなりません。
(時間移動は1時間単位でしか出来ないんですな)
タイミングは分かってるんだけど、写真にちょっとだけしか宇宙人が写らなかった時とか、やり直しに多大なファイトが要求されます。
ここが一番重大な欠点かと思ふ私です。何かしらの暇潰し要素がほしかった。切実に。

 
人間賛歌

ただ、このゲームの醍醐味は、独特なゲーム性もさることながら、その世界観および味付けにあると思います。
ゲーム中、主人公は宇宙船から地球のアパートに降り立ち、写真を撮って、現像の為に宇宙船へ戻ります。
  宇宙船:すごいハイテク。
  アパート:すごいボロ。
このギャップが凄まじい。
宇宙船、なんか凄い「ウィーンウィーン」とか音鳴ってるの。ドアも「シュィーン」とかいって自動で開くの。
アパート、なんか外で犬が遠吠えしてるの。おばちゃんが台所でヤカン沸かして、「ピーーーッ」とか鳴ってるの。
このギャップ。
更に姿形が一様な宇宙人に比べ、アパート住人の特徴ありまくりの姿。
赤茶の髪が爆発しているおばちゃんとか、家ではのっぺりフェイスなのに化粧後は別人ガングロギャル(敢えてこの表現)になっちゃう女とか。
UFOの醍醐味は、この人間くささにあると断言致しましょう。
宇宙人と対比されて際だつ日本人の下町な生活。これが見ていて何とも心地よい。
「あ〜ぁ、もう全く」とか言いながらもニヤニヤしちゃう、映画の寅さんを見ている時のような感覚。
のほほん的作画とも相まって、非常にプレイヤーを和ませてくれます。

 
覗いてハァハァ

主人公の姿は、アパート住人(というか地球人)には見えておりません。
なので捕まって何かCIAとかで解剖されたり町内の祭りで見せ物小屋に出されたりとか、 そういう事には(残念ながら)なりません。
でも姿が見えていないので、住人も「あっ、お客様!?お茶出さなくっちゃ!」とかいそいそと対応するでもなく、超リラックス状態で、思うがままの行動をとり続けます。
水槽の魚にエサやったり、電話で話したり、クラシック聴きながらワインかたむけたり。
この覗き見ている感覚が、また楽しいんですよ。えぇ。
いや、あの、変な興奮を覚えるとかじゃなく。
「ほとんどの場面ではBGMが流れず効果音のみ」など、いかにもゲーム的な演出が控えられている事も相まって、彼らのとる行動がいちいち人間臭く感じるというか、「あー、この人は一人の時にこんな事してるんだーウーフフ(はぁと)」みたいなラヴリーさを感じるというか、そういう事なんですよ興奮じゃないです覗き魔予備軍じゃないですホントダヨ(棒読み)
ゲームのサブタイトル「A DAY IN THE LIFE」の通り、住人の人生の中のひとコマを、ゲームをプレイするでもなくただノンビリ眺めているだけでも楽しいってんだから、凄まじいゲームです。

 
タイムショック(by 鹿賀丈史)

主人公と救助対象の宇宙人は、地球人には見えも触れもしないので、もちろんアパートの住人にも全く気づかれません。
だからと言って、アパート住人と全く関係が持てなくてサミシイナという事はありません。
例えばある宇宙人がアパート住人の飼っている魚を食べちゃったとしましょう。
住人、「魚消えたッ!」とビビる。ワケわからずパニック状態。
で、とりあえずその宇宙人を撮影し、救助というか捕まえます。
そしてもう一度、食べられた時間を訪れると。
もちろん魚は生きてます。住人も普段通り。何事も無かったかの如く。
いや実際に何事も無かった事(つまり宇宙人が最初からアパートに居なかった事)になるんですが。
こういうような具合に、プレイヤーの行動はアパート住人の生活に影響を及ぼすんです。
タイムマシンとか因果律とか、そういう類のモノに大興奮な貴方にうってつけ!

 
ハッとして!Good (song by 田原俊彦)

このゲームは、時間の無い方、せっかちな方、宇宙人なんて居ないしネッシーとかも居ないしそもそも世界が僕の空想の産物なんだきっと生きてるのは僕だけd(略)みたいな方には、ハッキリ言ってオススメできません。
(末例のような方には、格子のついた病院をオススメします)
ゲーム進行の大部分は、大した刺激も無く過ぎ去っていきます。
その退屈な時間を我慢して、宇宙人救助(捕獲)の喜びに辿り着けるか。そこが購入選択の分かれ目です。
ただ逆に、のんびりゲームしたい方には超お買い求めいただいて、この独特の雰囲気を味わっていただきてぇと思います。
あと、のほほんとしたい方、日本人的ノスタルジックな感じに浸りたい人にもオススメです。


この独特のセンスと、のんびり雰囲気の中に秘められたスパイシーさは、味わってみないと分かりませんゼ。

 

 

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